カナダで親知らずを抜歯

歯医者


16歳になる息子が親知らずを抜きました。

発端は歯科矯正。こちらでは歯科矯正をするのはごく普通のことなのですが、歯医者が大嫌いなのと意外にも歯並びがよく、パッと見は何も問題のない息子。今まで避けてきましたが、やはり一度チェックだけはしてみようと近所の歯科矯正クリニックへ行ったのでした。

息子の歯
なかなか綺麗な歯並びだと思いません??

レントゲンを見てびっくり

歯のレントゲン
写真はイメージです

まずは写真をチェック。前から、横から、上から、下からと、どれを見てもなかなか綺麗なんです。噛み合わせが少し悪いようですが、まあパッと見わからないし、何もしなくてもいいかな、なんて思いながら先生の話を聞いていたら、レントゲンを見ながらまだ出てきていない親知らずの話に。

これがまた見事な水平埋伏智歯(impacted wisdom teeth)でした。歯は通常上を向いて生えてきますが、息子の下顎の親知らずは見事な横向き、水平状。いくら待っても絶対上には生えてきません!

親知らずが水平にはえるとどうなるの?

上に真っすぐにはえても親知らずは全体の歯並びに影響を与えますよね。
親知らずが横向きの場合は、歯並び云々だけではなく、隣の歯に向かってはえていくので、隣の歯が削られて傷んでしまうそうなのです。これは一大事です!

口腔外科相談室のサイトに詳しい専門的な説明がありましたので、興味がある方はどうぞ。

矯正の先生によると、矯正よりもまず先にこの親知らずを抜く必要があるとのこと。それにはOral Surgeon(口腔外科)への紹介状が必要で、この矯正の先生に紹介してもらって口腔外科医に見てもらうことになりました。

レントゲンはいつもの虫歯検査の歯医者さんからメールで転送してもらった物だったので、いつもの歯医者さんも見た時にわかっただろうにとちょっと歯医者さんに不信感。偶然にも矯正歯科のカウンセリングに行って本当によかったです。

親知らずが埋没していなかったら抜かなくてもよい?

今の芸能人を見ていると、どんどん小顔になっていると思いませんか?
以前歯医者さんに聞いた事があるのですが、小顔化に伴い、今の子はどんどん顎が小さくなっているそうで、中には生まれつき親知らずがなかったりあるはずの歯がない子が結構いるそうです。

でもそうでない限り、大抵は親知らずがはえてくると歯並びに影響されますね。顎に治りきらないですからね。私もせっかく矯正したのに親知らずのせいで歯並びが悪くなりました。矯正の時に4本歯を抜いたにも関わらずです!

そしてどうせ抜くのならば、親知らずの根が完全にできてしまう前に抜くのがベストだそうです!ただでさえ抜きづらい場所にあるのに、根をはると神経や血管が通っている部分に近づき、リスクが上がるし、抜かれる時の体力の消耗も半端でないとか。

口腔外科医へ

手術
日本だと矯正歯科医でも歯を抜いてくれると思いますが、カナダの矯正歯科医は抜歯はしてくれません!

けれども矯正歯科医もこの抜歯手術が終わらなければ矯正が開始できない→儲からない訳ですから、1日も早く見てくれる、でも腕のいい口腔外科医の紹介に尽力を尽くしてくれましたが、予約が取れたのはなんと1ヶ月半後(!)でした。

海が見渡せる見晴らしの良い素敵なクリニックで診察w。

親知らずの抜歯ですが、親知らずは4本ありますが、そのうち横向きである水平埋伏智歯は下顎の2本のみ。でもカナダでは水平であろうとなかろうと親知らずが生える前に抜歯をするのは結構普通な事のよう。我が子たち、特に上の娘の友達のほとんど(18歳前後)はすでに親知らずを抜歯してるそうです。そして「どうせ麻酔で寝ちゃうんだから一気に4本全部抜いちゃおうぜ」という考え方です。

あ、そうです。全身麻酔です

親知らずの抜歯方法&値段

歯が根付く前に、まだ小さいうちに取る方が負担が少ない、そしてもちろん歯並びにも影響しない、ということで、歯茎を開いて全身麻酔をしてでも10代のうちに抜歯する傾向があるようです。

歯茎を切り開き、歯を削ったりしながら神経を傷つけないように手術をするので時間もかかるし、歯を抜くって男の大人の人がやってもかなり大変な作業ですから目が覚めていると恐怖を感じるのは確か。そして出産も無痛分娩、胃カメラや腸カメラも全身麻酔が当たり前のお国ですから、みなさん痛みに弱いんだと思います。

ざっくばらんな感じながらも頼りがいのありそうな口腔外科医の先生は「まあ部分麻酔でもできないこともないよ〜、ほとんどの人は全身麻酔だけど〜」と言ってましたけど、息子は全力で全身麻酔を望んだので全身麻酔を頼みましたw

全身麻酔ですし、親知らず4本抜くのでその後のダメージもかなりなもの。3日間は何もできず安静にしなければならないよ、と言われました。

ちなみにこの抜歯、全部自腹です。保険なし!相談料としてそれなりにお金を払い($3000前後)、手術日の予約は正月三が日の直後に決まりました。日本だと数千円でできちゃうらしいですね!いいなぁ。

知り合いでもアジア系の歯医者さんに見てもらっているお友達の息子さんは2本いっぺんに部分麻酔で抜いてもらったようでした。値段も全然安いし(とはいえ数百ドルはしますが)、回復も早かったようです。

3DのMRIも撮影

実は親知らずだけでなく、一本余分な歯が横向きに上の歯ぐき内に見つかった息子。世の中には歯が足りないで生まれてくる子もいるというのになぜうちは余分な歯が(苦笑)

これも抜いた方がいいということで相談していたのですが、レントゲンだけでは歯茎の前にあるのか後ろにあるのか、それとも前から後ろに斜めに生えているのかなど歯の生え方がまったくわからりません。メスで切ってからそれを探すのはよくない、ということで3DのMRIの撮影をするためにその専門のクリニックに行かなければなりませんでした。

こちらも自費。$400近くかかりましたよ。カナダの歯の治療はとにかくお金がかかり過ぎる!!と思う母でした。。。

結局この歯は骨にぴったりとくっ付いているため全摘はできないとわかり、放置することになったので結果としてはMRIを撮ってもらってよかったのですけどね。

手術当日のお話はこちらで!